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Webマーケティンングを用い、地域おこし協力隊の採用に成功した事例をご紹介

DMO, ノウハウ

採用が難しい地域おこし協力隊

地域おこし協力隊とは

地域おこし協力隊とは、総務省が推し進めている制度です。簡単に言えば、都市圏から過疎地域に移住し、地域行政と一緒に地域課題の解決を一緒に取り組む制度です。任期は1年〜3年で、任期中は活動資金を所属する地域行政から頂く事が出来ます。* 詳しくは総務省の地域おこし協力隊ページにて

地域おこし協力隊は平成21年から始まった制度で、10年以上続く制度です(令和2年現在)。始まった当初は参加する行政が少なく、認知度も低かったですが、近年は参加する行政が多く隊員数も全国で5,000人を超えました。参加する行政が多くなる事により、地域おこし協力隊の採用が活発化し、毎年各行政は採用人数の確保に悩まされる状況が続いています。地域おこし協力隊採用の募集時において気をつけるポイントと、採用を成功した事例をご紹介します。

募集が難しくなる3つの背景

1)全国の地域で取り合う

参加する行政が多くなる事により募集枠が増えますが、地域おこし協力隊に希望する人は思う様に増えず、需要と供給のバランスが崩れている状態です。各地域毎の特有なミッションも少ない事から、募集人材の差別化ができなく、結果的に同じ様な人材募集になってしまいます。同じスキルの募集人材が多い為、地域おこし協力隊の取り合いになります。

2)募集に対しての必要経費

企業が人材を採用する時に転職紹介所を利用すると、仲介手数料として30%以上お支払いする事は珍しくありません。例えば、第二新卒として年収350万の人材を採用すると、105万円の仲介手数料がかかると言う事です。人材募集のニーズに沿った人材を募集すると言う事は、決して安くはないです。地域おこし協力隊の募集は、1名につき100万〜200万かかると耳にした事がありますが、実際に確保されている予算は数10万と言う地域が多いです。つまりは、人材を確保する適性予算が設定されていないので、そもそも募集に無理があると言えるでしょう。

3)地域おこし協力隊の先駆者が有利

地域おこし協力隊の制度を先駆けて導入した地域は、意識の高い地域おこし協力隊の先輩がいる事が多いです。その様な地域は、任期を終えた方の強力な伝手や、地域おこし協力隊地域としての認知度が高くあります。その為、後発の地域よりも地域おこし協力隊の人員確保に有利と言えるでしょう。

地域おこし協力隊の募集時に意識するポイント

地域おこし協力隊を募集しているイベントやWeb広告を見て、マーケティング視点から改善すべき点がありました。それは、応募者の視点から考えると当然の事ではありますが、募集側では見落としがちな事です。募集を始める時、まず初めに考えてみましょう。

ミッションの明確さ

募集されているミッションに共感する事で、応募者は地域おこし協力隊に応募します。つまりは、ミッションが明確でなければ、共感のしようがありません。ですが、実際は漠然とした募集を多く見かけます。例えば以下の様な募集で、詳細を見ても具体的に何を求めているのか不明瞭な募集です。

  • 自由枠による募集
  • 地域の観光情報を発信してくれる方募集
  • 地域で起業してくれる方募集
  • 地域のコミュニケーションを活性化してくれる方募集

もし上記の様な募集を行うとしたら、以下の様な内容を詰めてから募集を開始する事をお勧めします。以下の様な内容を明確化する事により、自然とミッションが整理され、応募者への訴求が強くなるでしょう。

  • 地域にどの様な課題があるのか
  • 課題を解決するために何が必要か
  • 地域の活用できる資産は何があるのか
  • 他の地域の似た募集に比べ、何が秀でていて、何が劣っているか
  • 具体的な仕事内容は何があるのか
  • 参加者が得られる体験は何があるのか
    などなど

募集人材のイメージ

ミッションが決まったら、誰にみて欲しいかを考えてみましょう。この”誰”が明確にイメージできる人物まで描けると、募集時のイベントや広告などの判断基準がとても明確になります。以下の内容をまとめて、ミッションを解決できる人は、どんな方かイメージしてみましょう。

  • 年齢や性別や家族構成は?
  • 現在の職業は?
  • どんなスキルを持っているか?
  • 現在の給料は?
  • どのような将来像があるか?
    などなど

イベント参加から任期満了後までステップ

地域おこし協力隊は地域に移住する事が前提となるので、通常の転職よりハードルが高いです。通常の転職は、会社を変える、職業を変えるなどの事を意識して活動しますが、地域おこし協力隊ともなると、移住する事により生活自体が変わります。その為、応募する方も慎重に検討を重ねますので、採用と任期満了後の状態までのステップをしっかりとサポートしましょう。特に、地域との相性もあるので、地域のキーマンや、地域にきてもらう事は必要ですね。期間前に除隊とならない様に、摺り合わせをしっかり行いましょう。

  1. 募集のプロモーション
  2. 地域おこし協力隊募集イベントの参加
  3. 地域おこし協力隊のミッション共有
  4. 地域で活躍するキーマンの紹介
  5. 地域視察 *視察時のサポートを大事に
  6. 地域おこし協力隊に応募
  7. 任期中の目的と目標
  8. 任期満了後のサポート

募集が成功している地域の特徴

地域おこし協力隊募集に成功している地域を、客観的にみると以下の様な特徴が見えました。

美味しい食、豊富な自然、人の良さを売りにしない

地域おこし協力隊を募集しているどの地域でも、美味しい食、豊富な自然、人の良さがあります。この内容をプレゼンで紹介している地域は多いですが、どの地域でも話す内容なので、全く魅力付けになっていません。このポイント以外で地域の魅力を探してみましょう。

地域のキーマンがプレゼンに登壇する

複数地域が参加するイベントでは、地域プレゼンを行う事が多々あります。この時、地域のキーマンでプレゼンが得意な方を選出する様にしましょう。以前参加したイベントで、8地域のマッチングイベントがありました。1地域で行政の方ではなく、プレゼンが上手な地域のキーマンが登壇し、その後の相談会でその地域は大変混み合っていました。募集要項に内容に大きな違いはなくとも、実際に地域にいるキーマンが、地域の話を上手に引き出している良い例でした。

行政担当者が地域に迎え入れる気持ちを持つ

イベントで行政担当者に接する時、熱意が伝わってこない方を見受けます。その様な方と話す時は、仕事だからやっていると言う事が全面に伝わってきます。地域の課題を解決するために必要な募集となることを忘れずに、熱意溢れる対応で迎え入れることを考えることも重要なポイントの一つです。

地域おこし協力隊の募集に成功した事例

福島県西会津町事例)地域の特性を研ぎ澄ます

福島県西会津町の地域おこし協力隊を募集した事例です。当地域の特徴は、芸術に特化した施設 西会津国際芸術村 がある事です。決して認知度が高い施設ではありませんが、町から委託を受けている町の中心企業が運営し、継続的に取り組みを行い情報を発信する事により認知度が上がった施設です。継続運用する事により、少ないながらも濃いファンを獲得しています。

当地域の8ミッションの地域おこし協力隊募集をご依頼頂き、地域の特性である芸術を全面的に活かした訴求にて募集を行いました。つまり、他の地域にない訴求を行う事で差別化図りました。工夫した点は以下の通り。

  • 地域おこし協力隊のミッションをサポートする芸術力(クリエイティブ力)訴求
  • 地域のゲームやアクティビティにおける企画力訴求
  • 遊びある芸術の取り組み訴求
  • 芸術を感じられる地域おこし協力隊募集ページのデザイン訴求

西会津地域おこし協力隊の募集ページ

西会津町 地域おこし協力隊募集ページ

結果としては、Web経由でイベントに参加された方、Webで問い合わせがあった方は、1ヶ月で10名ほどです。勿論応募としての質はあるものの、他の地域の問い合わせ状況から察するに、期間、予算からして良い結果だったと思われます。

宮城県角田市事例)無駄打ちせずターゲットを絞り込む

宮城県角田市の地域おこし協力隊を募集した事例です。ご依頼頂いた募集は一つで、観光事業を促進する内容のミッションでした。特徴的なのは、任務に就く内容が具体的で、かつ個人の意見が通る風通しの良い環境で、ベンチャー企業に近い就業環境と言う事でした。

募集が一つで、採用したい方も明白だったので、募集に対しターゲットを絞り込みピンポイントで訴求した事が功を奏し、1名の応募で採用また至りました。予算も少なかった事情もありますが、Web広告のみで対応し、効率的に獲得できた事例です。

宮城県角田市の地域おこし協力隊(観光促進)の募集ページ

宮城県角田市 地域おこし協力隊募集の広告

マーケティングを考慮した採用のあり方

冒頭に記載している通り、地域おこし協力隊は年々採用が難しくなっています。最近では、地域と地域おこし協力隊希望者のコミニュニケーションを、年度を超えて行う行政もあります。単年度毎に募集するのではなく、一度接点を持った希望者との繋がりを継続するのは、良い取り組みではないでしょうか。単年毎に予算を確保する行政としては、珍しい取り組みでもありますね。

一度接点を持った方をプールしておいて、タイミングを見計らい再度アプローチするのはマーケティングの基本です。ユーザー視点を忘れずに、マーケティングの基本を実行し地域に根付く人材を確保したいですね。


ベルノートで提供しているサービス

地域おこし協力隊募集向けサービスの内容

ベルノートでは、自治体向け、地域商社向け、DMO向けのサービスを提供しています。本年度の地域おこし協力隊の募集が難航している、地域おこし協力隊を毎年数人募集したいなど、地域おこし協力隊募集の課題解決を提案することが可能です。まずは状況(募集内容、募集人員、募集予算、地域の特性など)をご相談下さい。地方創生事業で提供しているサービスは、こちらからダウンロードできます。参考ください。

地方創生事業の事例集

当ページの事例に記載した事例を含め、地方創生事例をまとめております。ベルノートのサービスを利用した地方創生事例は、こちらからダウンロードできます。

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